Tebineri

人間。

シャーロックとIQ

この歳になって、シャーロック・ホームズのシリーズを初めて読み始めた。

面白いしスイスイ読めるしこれはすごい。

すごい。

すごい…………。

なんでこの歳になるまで読まなかったかという理由がいくつかあって、それを勝手に語りたいのでブログを書く。

221b.jp

ちなみにこちらのサイトで読ませていただいている。ありがとうございます。素晴らしい。

私はわりと翻訳厨なので、翻訳が自分に合うかどうかでも決まるのだが、どうやら私の全センスがこちらの翻訳者様と合致するらしく、もう、びっくりするほどスラスラ読める。頭の中で勝手にテレビドラマが流れてくれてるみたいに分かりやすくて読みやすい。素晴らしい。
実は昨年末帰国時、文庫本で「シャーロック・ホームズの冒険」を買ってあったのだが、気に入って買ったはずなのに全く読まなかった。今、その冒頭部である「ボヘミアの醜聞」まで来たので、見比べてみると、私のセンスがどう合致しどう合致しなかったかはすぐ分かる。

例えば「ワトソン」か、「ワトスン」か。
私が買ってしまった本ではワトスンになっていたが、個人的には圧倒的にワトソンがしっくり来る。よって、サイトの方が性に合う。
あと、例えば出だし。文庫本では「あの女性」とすまして書いてあったが、サイト版では「あの女」と訳されていて、これも個人的には「ホームズが『あの女性』なんて面倒な言い方するはずがない」と感じる派なので、サイトの方と合致。
もうだめだ。この本、売ろう。

というわけで私は本を読むとき、どうしてもこういう一つ一つが感性に引っかかってしまう。
ので、このへんの合致は本当にありがたいし、私が読むにあたって、どんなに名著とされていても読めなくなることがある原因でもある。

………ということを改めて認識したために、
今から書こうとしていたテーマが的外れだった可能性が出てきた。
どうしよう。
とりあえず、そいつも書いてみよう。

というのは、何故こんな面白くて読みやすい作品を今まで読まなかったのか、と考えていたからである。

私は小さい頃から本の虫だった。
母によると、家にある絵本は、字を読んでいるというよりは読まれた内容を丸暗記していたらしい。3歳ぐらいで朗々と絵本を読み上げていたところをよそさまに見られ、もう字が読めるんですか?!と聞かれて、いえ、覚えてるだけです…と言ったらしい。これだけ聞くと天才児のようだが、要はただの本の虫である。
小学校に上がって、悪化した。毎年、なんとなく読書テーマがあって、そのテーマの本を自然と読み漁り、次の学年になるとなんとなく気分が変わるのか、違うテーマのものを読んだ。
1年生の頃は、内科医の待合室にあったアンドリュー博士の恐竜化石発掘譚の本が気に入ってしまい、恐竜の本ばかり読んだ。
2年生の時は、教室文庫とでもいうんだったか、教室の壁の後ろの端っこからもう一方の端っこまでに並んで詰め込まれていた本を、順番に全部読んだ。興味あるなしとか関係なく全部読んだ。多分私しか読んでなかったと思う。完全な活字中毒の誕生である。
3年生の時は、こまったさんシリーズとズッコケ三人組にハマった。ここからシリーズ読み、作者読みが始まる。
そして4年生の時、おそらくズッコケの流れを汲んでか、探偵モノ年間が始まったのである。
この時学校の図書室にあった、何冊もあって読みでがありそうな推理小説のシリーズは、洋物3種と和物が1種。つまり、アガサ・クリスティか、シャーロック・ホームズか、アルセーヌ・ルパン。そして、怪人二十面相である。

まず私は、これらの各第1巻をざっと読んで、何に手をつけるか決めた。
アガサ・クリスティにはあまり興味を惹かれなかった。このまま今も食わず嫌いである。大人になって読んだら面白いのかもしれない。
ホームズは面白そうな匂いはあったのだが、なんかこう「なんで二人も出て来るんだろう」みたいなとこが、ちょっと不満だった記憶がある。カリスマが一人、だだーん!と出て来る方が、基本的に好みなのである。それと、なんとなくホームズは地味に見えたというのもあった。
というわけで、一人の超絶カリスマイケオジが大活躍するアルセーヌ・ルパンに私の小4時代は捧げられた。あまりにもアルセーヌ・ルパンが好きすぎて、「ルパン三世は邪道」と言い切る小学生(面倒臭い)だったぐらい、大好きだった。
そしてもちろん、二十面相。こちらももちろん夢中になった。とにかくクッソ面白かった。
この二つのシリーズを読破し、夏休みは学校の図書室の蔵書に抜けがあった番外編などの巻を借りに遠くの図書館までてくてく歩いて通っていた。最高だった。
とにかく本がなければ死に、本があれば良い、そういう子供時代だったのである。

そして、私は常に図書室をうろついて生息していたため、子供の頃に「面白くなさそう」と思った本はその後もあんまり手をつけなかった。
それでどうも、ホームズを読まないまま来てしまったのだ。…と思っていたのだが、冒頭に書いたように「その本の翻訳が合わなかった」可能性もあるな…と思った。海外の小説を読む時、その国の言語がスラッスラのペラッペラなら問題がないんだろうが、私はできれば日本語で読みたいので、和訳がどういうニュアンスかで、一切読めない本が出るのである。一番好きな小説家のヘルマン・ヘッセも、同じ作品の違う翻訳者のものを比較して読んだことがある(オタクだなぁ)が、私は高橋健二のものしか受け付けなかった。詩の心があるのが高橋健二だけだからである。詩人であるヘッセの小説を、詩の心がある人間が訳さないと、彼の小説はとたんにただ小難しいだけの意味不明の哲学書になってしまうのである。これから読む人はどうか、高橋健二訳を読んでください。全然違うから。健二さいこう。

話が逸れました。

というわけで、「図書室にあったホームズシリーズの翻訳が合わなかった」可能性もあるのですが(確か「読みづらい」と思った記憶があるので、どこかでそういうのを感じ取ってたのかもしれない…。ルパンは申し分なかった)、
もう一つ、私がホームズをその当時に読まなかった理由が、今なら分かる気がするのです。そこが今日の本題。

IQの問題です。

大人になってから、子供時代のことを振り返った時に、私にははっきりと「14歳の夏に突然世界が違って見えた」という記憶があります。
それまでは、自分で言うのも変なのですが、ごく普通の、平均的な頭脳と知能の子供だったと思います。ちょっと本が好きなだけの、特に尖ったところもなく、将来演劇がしたいと言う友達をなんか気恥ずかしくて皆でからかっちゃって、泣き出したその子をあわてて慰めた(あとですごく後悔した)ぐらいの、ごくごく平凡で、月並みでありふれた、平均的な、ただの子供。目立つこともなく、はねのけることもなく。言われるがままそこそこに信じ込み、自分の主義主張を特に持つこともなく、そこそこ楽しく生きてきた。毎日のバレエのレッスンも、単純に楽しいや、と前向きに、何の疑問もなく通ってたのです。

それが、中2の夏休み、身長がものすごい勢いで伸び、生理が始まったのですが、おそらくその時、体やホルモンバランスと同時に、脳の中も何か変わったのだと思います。分泌物が変われば、そこから脳に違う物質がいくのは道理です。おそらくそこで私は、ほとんど別人になったんじゃないかと思います。
夏休みが明け、なんだか白昼夢の中にいるような不思議な感覚を受けながら学校に登校し、まわりを見渡して、「あれ?」と思ったのです。
「あれ?世界って今までこんなだったか?
 なんでみんな何の疑問もなく言われるがままに学校生活送ってんだ?
 大人たちの言うことの裏にある意図に気づかないのか?
 なぜ操作されるのにそのまま従う?
 今何が起きてるか分からないのか?
 それとも、気づこうとしていないのか?
 あれ?いつから、こうだった?」
と。
突然、目が覚めた、というような感じでした。ずっと寝てたんじゃないかというような。
「寝てた」間、私に自我はほとんどなかったと思います。
ところが、目が覚めた瞬間、強烈な「自己」が芽生えました。
世界は、変わってしまった。何の罪もない子供から、私は突然、この世界に放り出された未成熟の人間になってしまったのです。
そこからずっと、記憶の持ち方や思考の回し方、感性や受け止め方やアプローチは、おそらく変わっていないと思います──すなわち、なにごとも思考抜きで無条件に信じ込んだりしないこと、善悪が付与された案件はまず疑うこと、自分の意見や考えや立場が常に存在し、それと相手のそれとを両立させるコミュニケーションを本願とすること、それを守らない人間をとことん軽蔑する傾向にあること…など。
その前までの私とは、全く変わってしまったのです。
きっかり、中2の二学期から。

ところで最近のある日、友達と話してて。
その友達は子供の頃から親と合わず、結構ひどい体験をしてきたので、小さい頃からずっと警戒心があったし、この世に対する諦めがあった、と言ってて。そういう生き方をしてると、小さい頃から記憶がはっきりしてるし、周りのしてることにも疑問を持ち続けてるんですよね。子供らしくないとか、頭が良すぎると言われて育った子たちです。そういう話は他の友達や自分の母親なども同じことを言ってたので、そういうのあるよね、私は小さい時は幸せに暮らしてたからなぁ…と。いうことを。話して。いたら。私がそうなったのってきっかりその、中2の2学期から、なわけで。
「なんか、14歳のある地点で突然知性が芽生えた記憶があるんだけど、あの時私、IQ変わったんじゃないか?」と。思ったんですよね。
というのは、その友達が、昔IQテストやったら異様に高い数字だったらしくて。でも私、小5ぐらいの時に学校で受けたやつでけっこう普通にバカだった記憶があるんですよ。だから私のIQは低いと信じ切ってた。
のですが、今こうやってその子と普通に同じぐらいの頭の回転の速さで喋ってるということは、IQ近いんじゃないか、と。(IQとは何かっていうと、ものごとを連続したものとして見るための共通点が発見できるかとか、そういうことらしいですよ、詳しくは調べてください爽)

で、ホームズですよ。
元はといえば、なぜ今になってホームズを読み始めたかっていうと、ここ数年の間に読んだ本や漫画やゲームに、とにかくホームズがバカスカ出て来るから、なのです。すごい気になっちゃって。なんとなく読み逃したというだけで読んでないだけだったので、ざっくりどういう人だったかとか、なんなら警部たちの名前とかも知ってるわけですよ。でも、原作読んでないから詳しくは分からない。
ネトフリの「シャーロック」も数話見て、あーこれは好きなやつだな、原作を読んでから続きを見ようかなと止めておいて、まだなぜか読まず。
途中で冒頭のウェブサイトを知って、ずーっと「いつか読もう」とブックマークしてたのですが、まだ手をつけずで。
ついに今、なぜ手をつけたかというと、「大逆転裁判2」に入ったからです。
逆転裁判シリーズ、昔から気になってたんだけど、なぜかこの秋、猛烈に気になって、てやー!!とSwitchの逆裁1・2・3と大逆裁1・2がセットになったパックを購入。
楽しい!面白い!私こういうの好き!あー久々に探偵小説読んでる気分だ…!とめちゃめちゃ堪能していたところ、
出て来ちゃったじゃん。ホームズくん。
大逆裁の舞台ロンドンでもう思いっきり出て来ちゃったじゃんホームズくんさぁ!!
ディティールも「当時のロンドン」が舞台なために、タクシーじゃなく辻馬車だったりするわけですよ。気になってきちゃったじゃんんん!!!てなり。
しかも、原作未読の私でも知ってる、ワトソンくんはイカついおじさんのはずなのに、幼女になってるじゃぁああん!(※正確には娘設定)これ原作知ってたら絶対もっと面白いんだよな…!と思いながらもゲームを進めていって、バスカヴィルって名前まで出ちゃって、うう、これ、げ、原作の…!と思いながらもまだ手をつけなかったけど、だめだ、もう限界だ!読むね!!てことで、ゲームを一時中断してサイトにアクセスして読み始めたところ。
面白過ぎて止まらなくなったと。
いうところです。現在地点。

で、改めて原作を読むことで、ホームズくんがどういう人なのか、分かってきて。
ネトフリドラマ見た時から、あーなるほどね?と思ってたですけど、彼は「頭が良過ぎて常人の世界から外れるタイプ」じゃないですか。
「鋭過ぎて距離置かれるタイプ」です、もっと言えば。
あと自分が天分を持ってる分野において「なんでこんな一目で見て分かることがみんな分かんないの?」て思ってしまうタイプでもあって。
そこらへんが、ホームズくん見てると、分かる…ある…て思ってしまう。みんなそう思ってるの?多分そうだよね?

……違うの???

ものすごい勢いで回転してる間は興奮状態で回転しっぱなしで、その次の一週間毎日廃人状態とか。すごい分かるもん。分かるっていうか、そういう暮らし方しかできたことないもん…。
生まれ持った体が強くないし、薬物に興味がないからやらないだけで、私がホームズくんの立場だったら間違いなくコ○イン打ってるもん。分かるよ。退屈で死にそうになるじゃん。退屈をまぎらわそうとする自分がこの世に存在してる時点で死んだ方がましだなって思うじゃん。分かるよ。ホームズくんほど頭はよくないけど、エネルギー効率は一緒だよ。男に生まれてたら一通りやってると思うわ。女に生まれると、そんなことしなくても辛いことが次から次へと襲ってくるからやらなくて済んでるだけだもん。よかったよほんとに。ある意味退屈じゃないからね。体調不良で。月に一回生理があるおかげで人生丸40年ぐらい損するからね、薬物いらないんだよね。ホームズくん、次の人生は女性をおすすめするよ。どう、想像するだけで死にたくなるだろ?今わたしなってる。生きてるだけで褒めてほしい。以上です!

何の話?

そんなわけで、14歳以前と以後の自分が「ほぼ別人」なので、今の自分が読んだらただひたすらめっちゃ面白い小説だった、というお話でした。

いやでもねー。ほんと、嬉しくて。
この歳になってまだ、こんな夢中でガンガン読める小説が存在していた、ということが、ただただ嬉しい。探偵小説ブームが小4でよかったー…。自我が芽生えた後だったらもうとっくに読み終えて読むもんなくなってたじゃん…。良かったのかもしれません。なんかこう…そういう運命だったんでしょう。きっと。
ホームズ読んでると癒されるんだよな…。頭がいい人が生きてるだけで(生きてない)(いや生きてる)癒されるし、めちゃくちゃでもいいんだな…人生なんて…て思えるし…。なんかこう、ギリギリのところでモラルは生まれ持ってて崩れないところがいいなとも思う。犯罪者の心理を一刀両断に切り捨てるあたりも好きですね…。
とりあえず、サイトの方で全部読み終わったら、次は原文をどっかでダ読もうと思います。本当にこのサイトさんありがたいです。。本当にありがとうございますありがとうございます…!!
もしシャーロックに興味あるけど未読って方は是非。お勧めです。

もう一回、感謝のリンク貼り。

 

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あと唐突に貼っておく、今描いてるやつの断片。
まだ今年使い果たした生命力のリチャージに失敗し続けてまして、本腰が入れられなくて困ってるので、来週末に休暇に行ってくるので、そこでチャージできたらいいな…。できる予定…です…!作りたいものがいっぱいあるのに…。。コロナのせいで休暇なしの2年間になってしまって、予想以上に消耗してしまいました。休暇の大切さを学んだ2年間であった…