2020年12月→2021年年始 一時帰国体験記

前提:
チェコ共和国・プラハ在住の日本人が、2020年12月初旬に日本へ一時帰国し、翌年1月4日にプラハに戻った際の記録です。
空港、旅客機内での旅、日本とヨーロッパ両方を体験しての感想などの記録です。あれこれまとめて書くので、長文です。

 

・事前準備

とにかくビビり倒しながら決断しました…。
年末年始を家族と過ごすために今年も帰省したく、しかしこの状況なので11月頭に丸一週間朝から晩まで悩み倒して、悩みすぎて死にかけましたが、家族が受け入れると言ってくれたことで決断に至りました。決断した後の方が調べるべき情報が狭まるため、いくぶん気は楽でした。それは「欠航になったら終わり」という賭けでもあるんで完全な安全ではないわけですが、決めなければ永遠に決まらない…というのと、コロナ理由の場合は全額返金されるだろうという見込みの元、さらに万が一を考えて日時変更とキャンセルが可能な便を予約することで解決しました。

まず、現時点でまともにヨーロッパから日本へ飛んでる便がKLM /Air Franceのみで、他にはドバイ経由も飛んでるようですが、プラハ→アムステルダム→日本、が一番短いし慣れているルートでもあるのでこれに決定し、KLMのサイトで予約をしました。
トランジット時間を長く確保すべきかをじっくり考えたのですが、どう考えても、もし自分が知ることもできなかった理由で足止めを食うとしたら空港での数時間の誤差でカバーできるとも思えなかったので、思い切って行きは乗り継ぎ時間が1時間10分のルートにしました。結果的には正解でした。というのは、そもそも飛ぶ便数が少ないのと、マスク関連のトラブルなどを予想してか、かなり搭乗時間が早めに設定されていて(いつもより15分ほど早かった気がします)、しかもこの状況下で飛行機に乗るような客というのは旅慣れてる人ぐらいなので全てがスムーズに進行し、全て揃った時点で離陸しちゃうので結果30分早く到着した、なんてことがざらだったからです。いつもなら遅延も考えないといけないんですが、今の状況でだけはその心配は一切不要でした。復路は、最短だと乗り継ぎ時間が50分だったので、さすがに不安で二番目に早い5時間弱の方にしておいたのですが、やはり早く到着したため、50分でも十分だったな…と思いました。まぁ、こんなことはとても予想できなかったので仕方ないです。

11月の予約前の時点で最悪の状況はあらかじめ全て予想し、その対策を手配し、大丈夫そうだと踏んだところで航空券の購入に至りました。
予想した最悪のシナリオは
・その時点では日本は低感染リスク国に指定されているので11月時点ではPCR検査なしで行き帰りが可能だが、12月の渡航時や1月の帰国時にはこれが変更になり、検査が必要になる可能性がある(日本側からのルールでそうなりました;1/8。)
・それがいつ変更になるかは全く読めない。もし往路(日本行き)前日に変更になったら、検査が間に合わない→渡航できない又は日時変更。または、いざ渡航したら条件が変わっていてトランジット国で日本人通れないよみたいになってたら(前例が一回出たらしくて、チェコ渡航の日本人には注意喚起が出ていました)どうにもならん…という恐れ
・帰路であれば、成田にPCR検査センターができたので一応帰国時必要になってもそこで可能だが、恐ろしい金額(自分のフライト予定だと時間外料金になるため、英文証明書つきで4万6500円…)

・最悪、日本から出られなくなったり、チェコへの入国ができなくなる。ただ冷静に考えて三週間でそこまで変わる可能性はかなり少ない。ヨーロッパはおおむね長期滞在許可証所持者は普通に入国できるので。が、飛行機の事情で欠航が出たりした場合、予定がズレることはあり得る
・もし万が一予定通りプラハに帰ってこれなくなった場合、飼ってるモルを信頼して預けておける人に預けなくてはならない

とにかく、毎日条件が変更になるような状況下ですし、ただでさえ空の旅というのは不安とストレスがあるものですから、それに加えてこのコロナというセンシティブな条件下、気にしなくてはならないことや、事前に考慮に入れて対策を打たないことの数があまりにも多すぎてもうだめだ渡航やめようと何度も何度も思い、家族にも親友にも弱音を吐きました。が、友人の協力により条件の確認方法がわかってきたので、心が落ち着いてきました。
具体的には、KLMでのトランジット国であり、EU入管口となるオランダの日本大使館のHPを毎日欠かさずチェックしました。チェコにおける日本関連の情報は大使館からメールが来るので、そちらでチェックできます。もちろん英語での公式HPの案内もチェックしていました。ここで「トランジットだけなら検査結果不要」を毎日確認しました。渡航前も帰国前もずっとチェックしていました。日本が安全国に指定されていることが、ほとんど奇跡としか思えないくらい今、世界中のほとんどの国の人がPCR検査陰性結果が必要なのです。奇跡としか呼べない状況だと、強く実感しました。

モルは、いつでも預かると言ってくださってた先に急に断られて途方にくれ、やっぱり一時帰国は無理なのかな…と折れかけたのですが、母に励まされてペットホテルを探したところ、最高のペットシッターさんを見つけることができ、心からホッとしました。言い方が悪くて申し訳ないんですが、チェコ人とは思えないほどの信頼感と責任感にあふれたプロフェッショナルな人で、いやもう…これ一番の奇跡起きたのでは…と。いやほんとすいませんね…でも事実なので…。。完全に奇跡の出会いでした。とにかく、これでやっと飛行機のチケットを確保に至りました。もうあとは、腹を決めて渡航するだけです。

・往路、無事渡航。

渡航日までに条件が変わらなかったのですが、それでもなんとなく半信半疑…みたいな気持ちで空港へ。大きなトランクを持っているのは道中私一人で、対策も十分にして決死の覚悟で来たにも関わらずなんだか悪いことをしているような気持ちになって、行き道のメトロやバスでちょっと泣きそうになりました。もちろん、誰も私を咎めたりしないとは思ってたのですが、そのぐらいプレッシャーを感じていたのです。

空港に到着すると、まったく見たことのない、ガラッガラの電光掲示板にさすがに衝撃を受けました。

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人の少なさは予想はしてましたが、電光掲示板を見たときの衝撃の方が大きかった。いつもはいくつもの出発予定で溢れている電光掲示板が、明日の朝まで合わせても10本程度とは…。信じられない光景でした。
私の搭乗時は、KLMで提出するオランダへの健康報告フォームはオンラインチェックイン時に組み込まれていたので、紙で提出する必要はありませんでした。日本で入国時に検査があることと2週間の自主隔離の必要があることをカウンターで確認され、荷物は重量をほぼ気にすることなく通りました。
このとき気づいたのは、乗務員たちがすごく落ち着いていて優しく、余裕があることでした。いつもならもっと厳しくチェックしたりするものですが、口調が柔らかく丁寧で、たまたま優しい人に当たったのかな…?と思いもしたのですが、この後実際搭乗してみると全く同じ様子で、笑顔で落ち着き払っているのです。客数の少なさと便数の少なさにより、ストレスがおそらく非常に減っているのだろうと思われました。
もう一つ気づいたのが、「観光客がいないとこんなにラクなのか…」ということでした。もちろん観光客が悪いと言ってるのではないんですが、ただなんか、不慣れな人ほどよく分からない場所でよくわからないゴネ方をしたりするもんなんですけど、そういうのが今回は一切なくてスッスッと皆乗っていくし、飛行機の中でも人の邪魔にならないように気をつけるポイントとかがだいたいお互い分かってるのでササッスッみたいな感じで済むし、めちゃくちゃ…楽で…。。ノイズが減ってる感じで。いつもこうだったらたとえ満席でもストレス少ないだろうなぁ。それが客数75%減で運行してるもんだから、行きは皆速攻で一人一列占拠して横になってて、もう楽チンオブザイヤー受賞でしたわぁ…。機内も3分に一回換気されてる上に換気フィルターでは花粉やウイルス類が99.99%カットできるんですって。いやすごくない?こんなことになるまで全然知らんかったわぁ…。

ご飯もおいしかったです…!もう全部あらかじめパックされてて、保存がきくせいかホットミールはパスタ、着陸前のホットスナックはホットチーズクロワッサンなど固定で、めっちゃ美味しかった。これでいい…これでいいよ…。。十分。。あと人数に余裕があるせいなのかコーヒーがちゃんとフィルターコーヒーで、うえーんうれしい…!!てなったよ…ありがとうKLM。

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あとこれは、いつもだと途中で腹減ったらおやつとか飲み物を後ろに取りに行くじゃないですか?それ来んなってことで、あらかじめおやつ一式セット+コーラが配られましてね…!これ画期的じゃない!?いやこれでいいよもう…いつもこれでいいよ…!!おいしかった😭オランダのワッフルクッキーめっちゃ美味しいですね…!

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2020年、どこにも旅行に行けず、外出すらままならず、本当に閉塞感がやばくて、このまま年末年始一人でモルちゃんと家にいたらさすがの私でも心が死亡する気がして、それが今回の渡航を決めた最大の理由ではありました。
久々に見た空の上の世界は、本当にきれいでした。

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日本の海が見えてきたとき、その美しさもさることながら、日本に…本当に…着いた…。という感慨深さの方が、強かったです。

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さて成田空港に到着すると、降りてほどなくして検査会場へと到着し、そこからはものすごい滑らかに流れ作業で唾液検査へと導かれます。出発国と経由国の確認をされ、もちろん対象に該当するのでパネルで仕切られたところへ一人ずつ通されてそこで唾液をていやーと出して提出し、またその先で書類や健康確認のメルアドやLINEなどを確認され、全部で30分ほどで済みました。待合室は椅子が一個とばしで番号が振られており、指定された席で時間を待ちます。
二時間ぐらいかかると聞いてたので当然かかるんだろなーと思ってのんびりしてたら、そこから30分もしないぐらいで呼ばれたので、早すぎない!?まさか逆に陽性だったとか…!?とか考えたのですが、普通に陰性でした。はい。列に並んでる時から唾液溜めといてすぐさま提出したから周りの人たちより早かったのかもしれませんね…。おすすめです…早めに溜めとく作戦…。…汚い話ですみません。。

無事に陰性ということで、荷物引き取り場所へ行く途中、エレベーターで一緒になったカップルが話しかけてくれて少し話したら、彼らはフランスからで、彼女はフランス人だったので結果間に合わないと困ると思って二箇所でPCR受けて到着してまた今受けたから3回受けた!つってて、お疲れ様です…!!と話しつつ、改めて、なんで日本人は事前検査結果いらんのだろね…?と謎になった…。だって、ビジネスとかで一時的に渡航して帰ってきたわけじゃなくて、普段あっちに住んでる日本人だよ?条件は外国人と同じだよな…?と…。まぁ、受けずに渡航できたので助かったんですけども、どういう根拠で決めてるのか分からないね…?と思ったのでした。

あまりにも予定より早く出れたので、父の迎えを待つ間、がらんとした成田でスタバのコーヒーを買い、半分以上封鎖されたベンチの空席に座って本を読んで過ごしました…。…空いてるのは好きなんで苦ではないんですけど、いやそれにしても、すごいなぁ…。お店もほぼ閉まってる感じ。
久々に到着した日本で、みんなの消毒対策とかはどうしてんだろねぇ…と観察したりしてました。
1時間半ほどで無事父と合流できました。帰る途中のPAで食べた唐揚げ定食が強烈に美味かったです…。トラックの運ちゃんとかが毎日でも飽きずに食べれる味とクオリティーなんで、トップオブトップなんじゃないかと…。すげえ美味かったな…盲点でした。普段高速とか乗らないから多分滅多に食べられませんが…。…うっお腹すいてきた…(セルフ飯テロ)
それにしても、父に車で迎えに来てもらうのなんて初めてだったので、あまりにも楽チンに家に到着して、びっくりしました。お車…最高すぎんか…。。普段、長女の癖なのか、なるべく親に頼りたくないのでどんなにしんどくても一人でトランク引いて電車で帰ってるんですけど、いやほんと、今回はコロナのおかげで、絶対普段経験しないことを経験させてもらっているなぁ…と感じました。ありがたや…ありがたや…。あと…自由業バンザイ…!時間の自由!!!

 

・到着後の日本生活

まず、健康報告…ですが、東京23区の私は「健康に注意して、朝晩熱計って、異常あったらすぐ知らせてくださいね」というメールが来て終わりでした。報告しなさいという連絡が一度も来ませんでした。…ゆるいな…?ただ渡航前に調べてた時にも都区内の人がその状態だったと読んだりしたので、対象人口が多い地区だとそうなってしまうのかもしれません。田舎の方の友人は、毎日保健所からメールが来て報告してたとのことでした。多分地域差…?

・天国みたいだった
ここ数年は年末年始に帰省してるのですが、こんなに故郷を「天国みたいだ…」と思ったことはありませんでした。
関東の冬は明るくて、毎日晴れていて、明るくて、暖かくて…。昼間だけですが…。。夜はね、今年は寒かったなぁ…毛布追加してやっと眠れるようになりました。家の中寒いのだけはやっぱり慣れないな。
でも、チェコは11月から毎日ほぼずっと曇りです。ずっとグレーの、暗い空。それに加えて今年はロックダウンで全てのお店が閉まり、生活に味気もなく、外食はできないのでせめて数件のお店でごくたまにテイクアウトをしてくるぐらい…。生活に文字通り、一切の彩りがないのです。ちょっと雑貨店を覗いたり、ちょっとコーヒーを飲んでいったりという、そういうものが全て奪われた世界。3〜5月のロックダウンも長く感じたものですが、10月中旬からのロックダウンは、グレーの空と相まって、さらに重苦しかったのです。
それが、東京に来たら、マスク着用と消毒ぐらいで、あとはみんな、好きなように暮らしてる。ほとんど通常通り。お店はみんな開いていて、気分転換のものを探しにも行けます。コーヒーだって、お店で買って外で飲んだって寒くない。気温が10℃あるのと、0℃とでは、同じ珈琲店が開いてたってこれだけ違うのです…。日本が低感染リスク国だということは、私にはほとんど奇跡に思えました。計算して日本人に生まれたわけではありません。対策だって、正直言ってほとんど同じようなことしか人間にはできません。マスクと手洗い、うがいぐらい。日本の方が気をつけてる人が多いというけれど、見えないとこには、気をつけてない人間だっているはずですよ。少なくとも、これほどまでに感染者数の差が開くほどのことを日本人がしているとは特に感じませんでした。そう考えると、おそらく遺伝子的な理由はやはりあるのでないかと個人的には思います。アジアでは昔から肺病系が多かったので、何かしらの抗体がついているという説ですね。もちろん、今はどの説も眉唾なのでしょうが…。両方の国を直接経験した私としては、今回の滞在ではそのように感じました。
とにかく、安全だと、感性が告げて、私はホッとしました。もちろん、二週間の自宅待機の後は、外出時も混んでる場所には決して長く滞在せず、店の中にいる時は座席間が十分開いてる店を選び、映画館はガラ空きの時間帯に入って飲食せずにいる、などきっちり守って滞在しました。とにかく、帰るまでは一瞬たりとも油断できないからです。条件が変わろうと変わらなかろうと、私が陽性になれば終わりですからね。。毎日、日本と欧米の両方の情報をチェックし続けていて、緊張感はありました。
それでも、低感染リスク国の祖国に三週間いられたことは、私の魂を救いました。一年分の緊張と疲労が、だんだんと軽くなり、頭が冴えて、今必要なものが見えてきて。具体的にいうと、ヨーロッパにいると当たり前のように西洋哲学の話になるので、そっちを強化したいと考えてたのを思い出し、免許の更新ついでに図書館のカードも作り直してごっそり本を借りてきて、家で読みまくれたので、そこを起点に2021年の計画を立て、ついでに本も大量に買い込んだりできました。魂が何に飢えていたのか、何を必要としていたのかを、二週間の自宅待機中に自覚することができたのは、今、一番必要なことだったように思えました。
家で両親と過ごせたことも、すごくよかったです。どうしてもこの状況では、毎日顔をあわせるパートナーにギスギスしてきます。でも、私がちょいっと帰ったことによって、二人とも嬉しそうでした。なんだかんだで、私も一番嬉しかったことは、それだと思います。うちは食卓にパーテーション立てて食べてるんですけど…(すごいですよね…母の案です笑)、それでも顔を突き合わせて一緒にご飯が食べられて、本当に楽しくて、嬉しかった。

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本はこんな感じ。
昔と読み方が変わったってことに、ここで気づきました。
西洋とアジアを交互に読んだり、フィクションとノンフィクションや、紹介モノと原典を交互に読んだりするのです。
一冊だけ読もうとすると飽きて投げ出すことが多くなってたので、そうかつまみ読みすれば楽しめて身になるんだなぁーと、今回で突然自覚して…。最近、本が読めない…と悩んでいたのですが、面白い本は完読してるから、結局そういうことか?とか言いながら探しました。。
実家に置いてきてた大事な本もいくつか加えて、プラハに持って帰りました。
本がある人生が突然戻ってきて、楽しくて仕方なくて…。私は本当に本が好きなんだと、また改めて、実感しました。

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クリスマスも、誕生日も、大晦日も、お正月も家族や友人と過ごせて、本当に幸せでした。
なかなか会えなかった友達にも、今回の状況だからこそ会えた人たちや連絡が取れた人たちが何人かいて、本当に嬉しかった…。
いつもと違うけれど、違うからこそ、のことがたくさんありました。厳しい状況下ではあったけれど、帰ってこれてよかった、と心から思いました。

そう………遠足は、帰るまでが遠足。

というわけで、チェコに帰る日…。最後まで緊張しました。結果的にはまったく無事に帰れましたが、往路の日とはいくつか変更点がありました。
というのは、帰国する1月4日の時点でイギリス等で出た変異株がかなり広がってきている時期だったからです。
それでもまだ安全国指定の日本人である私は、事前のPCR検査が不要でした。私は本当にラッキーだったと思います…。これが十日後だったらもう、分からなかったかもしれません。ものすごいギリギリのところを切り抜けたと思います。
なんで事前に受けたくないかって?
4万6500円だからですかね………………。

というわけで当日。
飛行機の欠航っぷり…。ご覧ください…

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えーん……!

そして空港ガラッガラっていうか…無人…状態。

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さすがに初めて見た…のと、今回もチェックイン時にもう、北ウィングで開いてるのはうちんとこだけみたいな状態で、近づいてったらあちらから添乗員さんたち総出で面倒見てくれる感じで名前と行き先言ったら手元の端末でチェックしてくれて、「なんちゃらロケーターは登録お済みですか?」と。…えーん初耳です…何ですか…つーたらすぐ教えてくれて、Public Health Passenger Locator Formに事前にウェブで申請すると。つまり「帰国後の滞在先や今の健康状態が問題ないことをチェコ保健省に申請登録するウェブフォーム」でした。成田チェックイン後にこのガラガラのロビーで改めて調べましたが、公式ページでは安全国リストに乗ってるうちらは登録すらしなくていいことになってた…ので、どうやら最新の情報だったようです…。いやー…助かった…というか…知らなかったガチで…。。

これでなんとか普通にチェックインができて、荷物も預けて、送ってくれた父母にバイバイと手を振ってからロビーで待ってる間、ねえ…ほんとにPCR検査結果いらんの?ねえ??と調べ尽くしたのですが、やっぱり書いてなくて…。そもそもそのなんちゃらロケーターもまだいらないことになってたからね…。ちょっと不安になってきたんですが、さすがにここまで無傷で入れて到着時にいきなり「おい検査結果は?」とは言われんでしょ…言われたとしても翌朝検査に行けとかでしょ…と理性では分かっていても、いやぁ…とりあえず家に着くまでは気が抜けないってことだな。と覚悟しました。

帰りの飛行機は、行きよりさらにガラガラで、本当に…空いてるなんてレベルではなかったです。
上の電光掲示板ですが、カウンターで「今日欠航多いですねぇ…」と聞いてみたら「昨日よりさらに減りましたね…」て言ってて、実際目の当たりにしたらまたちょっとショック受けた…というか、わたしのこの便が飛んでるの、奇跡なのではないか?とか、なんでKLMだけ無事に飛べるんだろう何か裏事情があるのかしら…?と思うレベルで、本当に、いや、これ奇跡なんだな、みたいに思えてきた。アムステルダム旅行に行ったときみんなめっちゃ優しかったなオランダ人…とか思いを馳せてしまった…。
離陸する時、優しくてやわらかい日本の冬の光を見て、初めて涙が出てしまいました。もうちょっといたかったな…と。正直言って何度も一時帰国してる中で、そう思ったのは初めてでした。優しくてあたたかくて、安全で。わたし的には本当に久しぶりにホッとできた時間だったのです。
ところが滑走時にでっかいフェニックス出て来ちゃったからねぇ…。涙も引っ込んだ。そうか。生まれ変わるんじゃ、仕方ないな。がんばろ…。家に帰れるということは、まだまだ頑張りなさいって言われてるってことなんだから。

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私にはそれにしか見えなかった。

あと、富士山も見えましたね…!

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うはぁ…。

乗り継ぎのアムステルダムも、パスポートと滞在許可証を見せたら一発パス。いや、分かってたんだけど、今は奇跡にしか思えない。他の国の人たちはほとんどみんな必要なのに、世界でたった7カ国だけなんですよ?パスしてるの…。すごくないですか?もう、私やっぱり前世で徳を積んだのでは…?て思ってしまうレベルだったよな…私は何もしてないのに…日本人というだけで…。。みたいな。
帰りは乗り継ぎ長かったのでカフェラテと読書で三時間ほど粘り、最後に夕飯となるバーガーキングをムシャァとやって飛行機に乗り。

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見てください、この…素敵なプロペラ…。いや、今まで乗った中で一番古くて小さい、年代物の飛行機だったと思う。座席も、こんな硬いことある?てぐらい硬くてめっちゃケツ痛かったよね…。でも時差で眠かったから爆睡したよね…。ちょっと不安だったのですが、離陸して分かった。機長さんがめちゃくちゃ運転がうめえ。めちゃくちゃ安定してた…。安心したら、このプロペラのアナログなかっこよさが染みてきて、思わず写真撮ったよね…。かっこよかったです…。着陸もハチャメチャに上手でびっくりしちゃったわ…。いや今回、本当に、ベテランで固めてるんじゃないか?というぐらい、精鋭しか飛行機乗ってないって気がしました。機長も搭乗員さんも。ものすごい快適でしたね…。やっぱこのご時世に飛ぶ飛行機つったらもう…そうなるのかな…。。このへんはまったく予想してなかったので、実際に乗ってみての意外だった点でした。

夜10時、無事にプラハに着陸。
プラハの空港は、シェンゲン圏外からが第一、シェンゲン圏内からの便は第二ターミナルと決まっていまして、シェンゲンの他の国でEUへの入国手続きは終わってるので通常はパスポートコントロールが存在してないんですけど、恐らくEU加盟以来初めて稼働したのでは?と思われる第二ターミナルのパスポートコントロールに人がいるのを見た時は、びびった…。ちょっと不安になった。でもやっぱり、パスポートと長期滞在許可証見せたら一発パスだった。おれの不安を…かえせ…。いや返さなくていい…。おかげで無事、ありがたく帰ってこれたので…!!いやー!よかったよー😭こわかったよー…!!なんとか帰ってきたぁ…。
ダンボール追加して持って来てたのでシータク探さねばだったのですが、利用客激減すぎていつもなら鈴なりで外に待ってるタクシーがなんか怪しげなの2台しかいなかったので、えーん…とタクシーアプリで呼び、なんか大雨降ってきた中を、なんとか無事に帰宅しました。
よかった。
とりあえず、とにかく……よかった!
無事に帰ってこれました…!!!
はぁ…感謝…世界に…感謝…。。。。
ありがとうございましたーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

 

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なんかこう、もちろん一時帰国はいつでもありがたいものなのですけど、本当に今回は毎日、毎瞬間のように「ありがたいなぁ…。」としみじみしていました。誰かに一人会えただけで、すごいことだなぁ…。と思い、家族分の食後のコーヒーを入れるだけで、嬉しいなぁ…。としみじみし。美味しいもんも…いっぱい食べたしな…。もう…一年分…食べたしな…。。いやー。。

でもやっぱり一番沁みたのは、家族に会えたこと。
2020年、まず日本で流行し出した時、本当に家族が心配だったし、親のそばにいずにここにいていいのだろうかとも、思いました。それからすぐヨーロッパでも、むしろヨーロッパの方が酷くなってしまい、ロックダウンにもなり、今まで感じたことのないような不安とぼんやり感がありました。今回の年末、帰りたかったけれど、そんなことが許されるのかも、私にそんな資格があるのかも分からなかった。でも、なんとか行って帰ってくることができて、大好きな家族の顔が見れて、三週間ちょっとだけど一緒に暮らせて…。こんなにも、「家族の顔を見るために帰省したい」と思ったのも、それができてホッとしたことも、初めてだったと思います。本当に、本当に、嬉しかった。
帰りもギリギリで…。本当にギリギリのライン渡ってきたなと、旅を終えた今でもヒヤヒヤするぐらいのレベルでしたが、無事に帰ることができました。もう、感謝しかないです。 

2021年もとにかく健康第一に、無事生きてることや暮らせてることをまず感謝しながら、今年も踏ん張って…いきましょう!
私も今できることを最大限頑張って実行していきたいと思います。

 

もるもバッチリ元気でした!!
今回のペットシッターさんに出会えなくても、渡航は不可能でした…。本当に全てに感謝です。

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