急遽の旅

まだ暗い。。
今から急遽フランクフルトへ向かいます。
二年前、東欧などの書籍事情に詳しく展覧会のオーガナイズなどをされている柴田勢津子さんという方にお話を伺ったとき、フランクフルトブックフェアは世界最大規模だから一度は行った方がと教えていただき、行かなくては!とずっと思っていたのですが、なにせ時期が毎年こんな感じなので10月頭の学校開始で嵐が巻き起こってる間に終わってしまっており、行けなかったのです。多分もともとあんまり計画性がない気もします…。
で今年は、ポーラの在外研修費でも確保してたので、もちろん行く気だったのですが、やはり学校が始まってバタバタしてるうちに(ちなみに学校が始まる前は、うわぁもうすぐ始まるぅ!ということでバタバタしてしまいます)、そういえば、フランクフルトいつだっけ?と思い出しまして、検索して「…あれ?もう始まってる。…?!一般入場は明後日と明々後日?えっ…?」という状態に…。( ´ u ` )
その日(というか一昨日です笑)は忙しくて頭が混乱してたのでとりあえず寝て、翌朝起きてからまた調べましたら、あぁやっぱり絶対今、行かなくては。。と思い。でもこういう時期ってホテルもうないんじゃ?ていうか交通手段はあるのか?前日に飛行機チケット買えるのかなど、とにかく全て調べたところ、なんとか全て可能でした…。高速バスや電車は、予約できなかったり売り切れてたりしましたが、かろうじて飛行機は。。これも予算頂いてなかったらとても個人でホイッと行けるアレではありませんが…。ほんとにありがたいことです。。
日本ではあまり知られていなかったり、日本人あまりいなかったりするらしいので、ちょっとでも何か案内になればと思います。
多分、帰ってからまたブログ書きます。。
今朝は3時起きでした。
全て決まったのが前日だったので精神的に余裕はもちろんありませんでしたが、ちゃんと準備できました。急な旅支度に慣れたというよりは、急な旅でも慌てない精神状態を作るのに慣れたんだと思います。
それも旅慣れるということの一つなのでしょうか。

今空港に向かうトラムの中です。
また書きます。

文字の旅─ロンドン&ダブリン / Summer vacation, watching "letters" in London & Dublin

タイポグラフィーのことを知らないという欠点は、デザインを勉強していないのに本を作りたいという私のかなり最大の弱点だということには留学に来て本格的に気づいたものの、どうも未だによく分からないという状態が続いていましたが、「タイポをデザイン的に理解するのじゃなくて、書きたいんだ!」と気づいてカリグラフィーを独学でやり始めたら、逆にその方がタイポグラフィのことも感覚的に理解することが出来始めました。そして、文字が使われた歴史をこのヨーロッパで知るということが結局タイポの理解にもなっていることにも気づいたところで、いいタイミングでロンドンを訪れることができました。最大のチャンス!歩き回れる限り、あれこれ見て回りました。

Recently I noticed about the importance of calligraphy for me, so this summer I visited London & Dublin and saw manuscripts, city typographies and calligraphies.
Below are photos in London or other cities (at the airport, in "tube", in the town,  British Library, musiums including my adoration William Blake, churches, hotels, helitages, book stores,) and Dublin Trinity Collage. The last one is barber's sign in Prague ( I thought that of course London is very nice I love it, but Prague has also so many goodies!!)


空港でさっそく何かのブックフェスティバルのトートバッグを見つけたのでメモ。

空が格別きれいでした(タイポ関係なし)。

とりあえず地下鉄(チューブですね!おおこれがあのチューブか!とミーハー全開)に乗って広告を見たとき、この写真では全く伝わらんのですが、タイポグラフィーがしっかりしてる国だな、という印象を受けました。何ていうか、今まで行ったどの国とも違う、確固たる芯がある、という感じがしました。品があって美しい。きりっとしてる。
地下鉄の広告を見てそんな感想を抱いたのは生まれて初めてでした。
……といってもこの写真では全く伝わらないわけですが……(面目ない)。

あーなんてきれいなのでしょう。
これが町の番地表示だなんて。

おお、これが噂のロンドンフォント!きれいだなー!
と町の表示サインだけで感動したり。
(どこへ行くにもこのサインや、町の中心部は更に必ず地図表示がそこかしこに立ってて、かなりロンドンは観光しやすかった!)

おおーこれがあのガーディアンかー!おおー!
と「初めて訪れるイギリス」になんかいちいち感激。
来てみて思ったのは、イギリスに私はずっと来たかったんだなぁ、という「感覚」でした。
高校の時の英語の授業とかでもよくイギリスの新聞記事の読解などをやってたので、知らない間に憧れていたようです。不思議ですね。
来れて本当によかったです。

美術館にて。油絵に書き込まれてる文字すらカリグラフィー。

テートブリテンでは、私の愛するウィリアム・ブレイクの原画が!
泣くかと思った。感激した。10年前から敬愛しているのです。
母を待たせて、あの小さな部屋で一時間ぐらいいたと思う(笑)
あぁ、感激でした…

素敵です…。
…そもそもここで写真撮っていいのかよく分からず、びびりながら撮りました。
多分大丈夫なはずだけど…。

これはEric Gillの作品ですね。
タイポ的にもカッコいいです…。美しい。

上記のエリック・ギルのと、これもウェストミンスター大聖堂のものです。
ウェストミンスター寺院の方は今回行かなかったのですが、大聖堂は最高でした。
絶対にまた行きたい場所の一つです。


コッツウォルズ地方のあるホテルに泊まった時のキーとホテルカード。
やっぱなんか、コッツウォルズの方へ来ると、魔法が使えそうなフォントになりますね。
そんな感じしません?

これはどこのだろ(´▽`)
カッコよかったので撮っておいた。


この二つは、グラストンベリーの寺院跡で撮りましたね。
美しいカリグラフィーです。
寺院はなかなかの遺跡っぷりで良かったです。




字って、カリグラフィーって、タイポって
ほんとに彫ってあるんだなー、と
勉強してなかった時には全く考えもしなかったことに気づいたにわかとしての写真たちです。
刻印してる文字と、紙にサラサラと書く文字が違うのは当たり前ですよね。
カリグラフィーを本気でやりたくなってから気づいた、当たり前のことなのですが、
実際に見るとなんか感激します。
当たり前ですがプラハに帰ってきてもこういうのはたくさんあります…。ふh

これは、合字(リガチャー)が使われてるのを見て、ほんとに使うんだー!と思って撮ったという、これまた初心者丸出しの感激写真(´▽`)
いちいち「カッコいいー!」といって撮ってました。


そしてロンドンの色々な本屋にて、世界的に有名なチェコ人絵本作家のシャシェックの本が、本当に当たり前にロンドンを紹介する最高の絵本の一つとして並んでいるのを見て、なんだかまた感激してしまいました。

切り絵のギフトカードが、すごい。
この国はギフトカード文化なんですね、カードだけを売ってるお店もあるし、美術館でもギフトカード10枚セット(カードと封筒10組ずつ)なんてのが素敵なのが沢山あって、本当は買いたかったのですが…。
た……高くて……。
ポンドが高くて……涙
「ちょっと素敵だな」ぐらいではお金が出せず。。結局買わずじまいでした。


大英博物館の木版と刷り上がり図。


交通サインという名の道路上のフォント。(なんか好きだった)

ウィリアム・ブレイクの装飾本の全てが載ったとんでもない最高の本。美術館で確認してたのですが、値段がかなりなので一度心が折れていたものの、なんと偶然訪れた古本屋で最後の一冊で買えました…!古本屋の人たちがまた紳士で、あぁイギリス最高。。と思いました。。男性が紳士なのは、本当すてきだと思います。さすがレディース&ジェントルメンの国だと思いました。
本は、神さまがくれた。。と思って、絶対2〜3kgはあるこの本を大事に大事に持ち帰りました。。神すぎる…。
カリグラフィーの本も、最高のが買えました。これまた物凄い分厚さだったので、二冊で5kgは下らないはず。しかし、宝なので普通に持ち帰りました。
この二つは絶対にロンドンで欲しかった本だったので、目的が達せてよかった。。
帰宅後、少しずつ読み進めています。
英語だからほんと助かる…!

行きたかった画材屋さん(カリグラフィー用品も充実)でも、少し買い物してきました。
はぁ〜…幸せ…(*´д`*)

このフォントも好きだな〜

クソまずいんですけどオシャレだと思って。笑

きれいだなぁ。



はい、そしてアイルランドのダブリンに入った瞬間にこのフォントです。
もはやギリシャ語っぽくない…?
この国って面白いですよね。ダブリンは会話はほぼ英語ですが、第一共通語はゲール語ですものね。
こういう、何かに収まらないもののある国がやっぱり好きです。


そして、トリニティカレッジで「ケルズの書」を見ることができまして、その書は写真禁止だったのですがもはや大興奮。ほんとに来てよかったです。とんでもない旅行日程の上にこの日ホテルにチェックインして戻ってくるのが不可能なため、全荷物を引きずりながらだったけど、本当に行ってよかったです…。…おかん、無茶させてすまん。

で、その上の階にある、トリニティカレッジ図書館が。すごかったんです。
荷物が重すぎたのですが出口に出るには上の図書館から出ろと表示があり、困って近くにいた警備のおじさんに「上にしか出口ないの?出たいんだけど」と聞いたら「上には行ったのか?」と念を押すので、行ってないと答えたら「見る価値は充分にある。障碍者用のリフトを使わせてあげるから、是非行きなさい」って、エレベーターを特別に使わせてくださったんです。。感激した…。母曰く、上にエレベーターで上がったら近くにいた老人に「あんたたち、エレベータ使ったの」みたいな目ですげえ睨まれてたそうですが、既に図書館の凄さに目を奪われていた私には全く視界に入っていなかったという。

だって、すごいんです!見てください!


いやぁもう素敵すぎますね。。
しびれました…。
おじさん、本当にありがとう…!宝を見逃すところでした。

そこで、企画展にてまた大量の写本や手書き本が展示してあったので、撮りました!!
あぁ、本当に手仕事ってすばらしい…。








なんて音楽的なのでしょう…!
これらを見てすっかり夢中になりました。
そして、
卒業制作、これでいこう。
と、なんか腹が決まりましたのです。
我ながらけっこう大変なことを決めてしまったのですが…。
やりたかったことだ、と確信したのです。
ネオ写本ですね。
やりたいと思っています。


そして、プラハに帰ってきました。
チェコ料理を食べてチェコビールを飲むと、なんか体がホッとして、体がぐんぐんチェコのものを吸収していくのが分かりました。
イギリス&アイルランドでもおいしいものは食べれましたが(聞いていたほど不味いとは思わなかったです…高いだけで…。)、やっぱりなんかチェコはほっとする。し、安い…。(´▽`)

そして帰り道に見かけた近所の髪切り屋の看板がかわいかった。


あらやだ、かわいい…。
チェコもやるな…と不遜なことを思いながら
旅は幕を閉じたのでした。

2014夏。/ 2014 Summer, Japan


















全く更新ができてないという…。ていたらくですが。。
夏は帰国して旅をしまくっていました。
期せずして大会初日がズレたため、帰国前日に甲子園の決勝まで観れて、満足です。
スポーツ観るのがものすごく好きなんですよ。甲子園球児のような、一生に一度の舞台でもそうだし、プロの選手が人生を賭けて闘っているところも、すごく力を与えてくれるので、ほんと私はスポーツ観るのとか、マンガもスポーツものがすごい好きで欠かせません。私、根が体育会系なんで、根性!とか努力!とかが結局最後には勝つと思ってるんで。継続する力のあるやつは結局最後には何かつかみ取ると思うんだよね。だから、死ぬ気で頑張って全てをその瞬間にぶつけている姿を見るのは私には最高のごちそうです。オリンピックとか、画面観るだけで泣けてくるときある(笑)。昔からそうだったなぁ。バレエしてた時からそうでした。あの一瞬を迎えるまでに、どれだけの苦しい辛い思いをしてきて、今も自分と闘い続けているんだろうって。ああいうのが、カッコいい生き方だと思う。私も常に、そうでありたい。

というわけでとりあえずプラハに戻りましたが、来週からまたちょっと旅に!初ロンドンへ。
今年の夏は全力で切り替えてます。
元気も出て来たし、いろんな人と会って刺激になったり愛情や元気も交換できた(と思う。笑)し、新しく自分のすべき勉強や鍛錬も始めることができたから、実り多いです。

そうそう、直島の地中美術館にやっと行けました!中盤の風景はその行く道とか、島から。
美術とともにひっそりと座って時間を楽しむ、空間を楽しむ、味わう、という使い方ができるのは、理想的だと実感しました。
島ごと美術館をウリにするのも地元が潤っているし活気づいてて、すごくいいなと思った。それに、美術品があれば、外国人が世界中から見に来ます。美術は財宝なんです。世界に認められている高い文化。だからこそ、外国人が見に来るんです。美術のことを、普通の人達はもっと考えた方がいい。もっと美術に親しみ、その価値を正当に理解してほしいと、心から思います。その価値はあるのだから。

執筆 / Writing a book is...

本を描く
という行為はすごく不思議で、特別な時間になる。
どうしてもこれだけに集中するまである程度待たなくてはならなかったと感じる。
二月から立ち上げて、ずっと資料集めたり準備してきたのに、描き始めるまですごい時間もかかったし、
描き始めたと思ったらまた難航する、の繰り返しで。
但し、難航したからといって、その本を描くアイディアが間違ってるかというと全くもってそうではないことは、何か深い部分での確信があるから、頑張るしかないわけで。
といっても一辺倒にがむしゃらに自転車の車輪をこぐようには進まないのが、創作の不思議なところで。。

ぽとり、ぽとりと雨垂れが落ちるように
紙の上にその物語の「雫」が落ちていって
ぽとり、ぽとりと
本当に少しずつだけコーヒーがドリップされるみたいに。
そのぽとり、ぽとりが全然不快に感じない。
それに焦るなんていうのは、とても不遜なことだ。

そんなことをしていて、ふと久しぶりに用事で街に出たら、
街を行くチェコ人たちのちょっとした会話や立ち振る舞いが、ものすごく新鮮に見えた。
とても鮮やかなものに見えた。
帰り道に、それが何故なのかが、頭の中にふと流れてきたBjork主演映画のサントラのある曲で分かった。
I've seen it allは、映画の序盤のあの曲の時点で既に死の影を匂わせているから美しいのだろうし
今描いている話の主人公が最後に老衰で死んでしまうから
世界がまぶしく見えるのだと。

To create a story book,
I always have an mysterious feelings.
This semester I couldn't finish it, although I've  keep trying to start more earlier... actually I started this project from this February but I could start drawing from just this week.
I don't know why, but only this is certain that it was certainly necessary such a long time to start drawing of this book.
Divine timing is really such a mysterious thing, I never can control...
actually I've been upsetting about this... but no, it's not true.
I'm sure I'm in correct timing, and in the deep side of me, i'm satisfied that I could wait for this timing and now I started this.

Heart mark on the sky... can you see? :)
空にハートマークが出てる!とびっくりしたのです。
私には、上と下、二つ出ているように見えます。

Anyway I keep working with this book maybe through this summer.
Yes, it's a little bit crazy because it's summer vacation season,
but I hope I'll be getting used to live with my creative works, everyday, any time.
Because I really want to be a "illustration-book-author", so I should getting used to work more naturally, more constantly, with only joy and deep insights, not with depressing and comparing.

「本を描く人」になるという自分の目標のために、最低限必要なこととして、常に継続して何かを作っている、というのが必要だと思うのです。
それには、それにストレスを感じず、決して他人のやり方と比べることなく、自分のビジョンを信じて毎日しっかりと、そしてリラックスした態度で制作を楽しんで続けられるようになる。そういう自分を作ることだと思っているのです。
なので、今期課題が締切までにきっちり終わらなかったことは、確かにおもはゆいのですが、それに捉われることなく、いま自分の夢を叶えるための自分を作る最高のトレーニング環境が出来上がったのだと、捉えるのです。
学校を卒業したら、いずれそういう状況になります。
その時に、折れず、見失わず、継続していかなくてはなりません。
学校というものにたくさん助けてももらっていますが、その価値観だけに溺れることは危険です。
外国人にあまり期待しない、この学校の習慣を逆利用して自分を鍛えられることを、私は幸せに思います。

がんばります。

TOKIO pozadi pro "L'Atelier Automatique" / TOKYO illustration - silkscreen printing cards & stenciled hude background for "L'Atelier Automatique" / "L'Atelier Automatique"のための"トーキョー"イラストレーション…巨大背景とシルクスクリーン印刷のカード

This is a record of making background picture (100x160 cm) for an portrait machine event "L'Atelier Automatique" in my Illustration&Graphic studio at AAAD(umprum).
at first I made a picture for cards (it printed by silkscreen technique), then from this, I cut  stencils from big papers and made a picture.
It was really huge.... too tired...  but i'm satisfied about the result :)

If you have a chance to experience the "L'Atelier Automatique", try any backgrounds! (If you live in Prague, you'll come to Klauzura exhibition from 11th-16th June in our studio!)
You can choose many kinds of unique places... around the world!

then, pics starts from making the cards.
*Please ignore the Japanese texts and see only pics! Sorry!!


※今回はメイキング紹介編という感じなので、そこらへん興味のない方は画像だけガガガーッと見て説明をすっ飛ばしてくださいますようお願い申し上げます。

 詳細は後半から書きますが、"L'Atelier Automatique"というスタジオでの企画のため、まずA6サイズのカードを二種類、白黒とカラーを用意することになり、そこから作り始めました。
 テーマはトーキョーでいこう、と決めてたのですが、昼にするか夜のシブヤにするか迷っていたので、せっかくなんで白黒は昼、カラーは夜にすることにしました。そうするとカラーでは夜のきらびやかなネオンが光るし、昼はサッパリしてるけど大都市って感じでいいかなーと。
出来ました♪ちなみに一週間まるまるかかっています。
今回は下書きとして二回ほど、ペンで書いたものと筆でぐわっと書いたものがあり、それを下地に透かしながらフォトショップを使ってペンタブで線をクリンナップしていって、影やハーフトーンもフォトショップで作業して仕上げました。

下の白抜きの部分には、あとで人物が入るのです。
なんか分からないのですが思いつきで、かすりの着物を来て現代のシブヤで写真が撮れる…という私の中の脳内設定で。


 で次に、100×160cmの背景画を用意せねばなりません。
先生からは「ステンシルでやったら絶対いいと思うよ!」と言われ。彼は非常に直観的なので、一発でアドバイスしてくるし特に理由も言いませんが、なんか最終的に納得しちゃうので言われた提案はのんでみることにしている…のですが、やり方を知らない。。「どうやるんですか?」と試しに聞いてみたら、ほら、こうやるんだよ!と厚紙まで用意してくれてかなり熱心にアドバイスされ…(´▽`)何故??と。。
でも絶対面白いものが出来るだろうなぁという予感と、私は「面」で取るのがどうも苦手で、これはグラフィックに欠かせない大前提の基本だということも分かっていたので、いつかはやらなきゃいけないとも思っていたんです。で、じゃあいい機会だからやろう…と、…3月から思っていたのですが、今になってしまいました…。
正直言ってステンシルなんて一度も今までやったことがなく、人生初だったので道具やノウハウもいまいち分からず。。
先生に聞いたやり方や、友達にふと聞いたアドバイスや、画材屋さんでいろいろ調べたりして道具を揃えていきました。
今回は絵の具はシュミンケの廉価版アクリル絵の具にしました。
廉価版とはいえ、質がいいなぁという印象。

 アクリルにしたのは、乾くのが早いだろうってことと、アクリルエマルジョンだから、この「背景」がクルクル巻かれて保存される時も柔軟な膜でひび割れたりしないだろうな、って。
というのはこの課題、実は前期のものだったので、前期間に合わなかった人が後期にトライしたんで、前期にやった子たちの背景を観察しに行ったら、厚塗りしすぎて見事に割れてる子がいたので…。その教訓もあります。。
主線用のインディゴカラーの絵の具は、この3倍のサイズのボトルにしました。
量は3倍なのに値段は2倍!お得!←言うてる場合か

 この他に、東京に四月に少し帰った時、デザインナイフの替え刃を買っといたりと、準備だけは丁寧にしておいたので、そのおかげでギリギリで間に合ったとも言えます…。
結局10枚あった替え刃のうち9枚使いました。
今まで生きてきてこんなに刃を替えたこと、ない…。快感…←
そして、カッターの持ち過ぎで指の皮が剝けました…。カッターダコ?
妙な達成感のあった制作であったことは間違いありません。。。


さて、カッティングの用意です。
上に載せたカードのモノクロバージョンをまず、1000×1500mmにパソコン上で拡大し、A3サイズに分割してプリントアウトできるようPDFを書き出して(何故かこっちだと、PDFにしないと大概の印刷機で働きません…)、プリントアウトしたものをB1サイズのやや丈夫な厚紙にのりで貼り付けまして、その上からカッターで、黒く線を残したい部分を切り抜いていきます。

 ここで大事なのは、余白を必ず残して、繋げながら切っていくこと。
純粋に主線だけを残したいところですが、それをやると白のスペースがバランバランになってしまって布の上に配置できないので、白く細いスペースを必ず残しながら黒だけを切り抜いていきます。
この作業がものすごく頭使うのです……。精神力削り取られます…。最初のうちはこれだけで疲れ果てていたぐらいでした。。
そのうちに慣れてきて、最後の方は少しマシになってきましたがそれでもやっぱり、一番疲れるし時間を食う作業です。
何色をどんな形で残すのか、そして必ず余白を繋げていくように…。
そしてひたすら地獄のように、線だけを切り抜いていきます。
その間に、「そういえば布地にそのままステンシルしたら白じゃなくて生成り色じゃん。都会っぽくないじゃん…」と気づいたので、まず薄めた水色のアクリル絵の具で下塗りをして、乾かしておきました。
そして改めて布を計ってみたら、なんと150cmじゃなく160cmあったので、出力が足りない10cm分を新たに厚紙に書き出して、これも切り抜き。。

それにしても切り抜き作業が果てしない。。。いつになったら終わるのか……。

あともう少しで最初の半分が終わる!というところで力尽きたりする。
過酷すぎる…!

そして紙屑が床を侵食し始める。

や、やっと!全部切り抜き終わりました…!
この時点で開始から丸4日は経っていたはず。
これを正確に色塗りしていくために、全体の位置を合わせる作業でまた半日ほど取られました…。とにかくサイズが大きすぎる。でも合わせないと作業できない…。今回、この巨大サイズを三つにタテに分割して「版」を作ったので、それをまた繋ぎ合わせた、というわけです。

 絵を描くならいきなり線描から入れるのに、ステンシルだと「線」を用意するのに膨大な手間と時間がかかる。
これは割に合うのか…?と疑問を覚えるほどの作業量。
でも、これだけの量やったなら、きっと結果が出る、という確信もどこかにあって。
とにかくやってみるしかないわけです。。


というわけで、やっと準備が整いましたので!
ポンポン開始!!←インクをステンシルしていく作業
ひたすらスポンジでポンポン!ポンポン!!
…………終わらん!(´▽`)

 最初は画材店で見つけた「スポンジブラシ」みたいなのを使いましたが、全然細部まで絵の具行かないし濃度の調節もよく分からずでまったくしっくりこなかったので、一つだけ買ってあった海綿でポンポンしたら、全部の感覚を指先で確認できるから調節も自由自在でとても楽しかったのですが、酷使しすぎてすぐにボロボロに崩れてきてしまったため、家で余っていた食器洗い用のスポンジをハサミで切り、研磨部分もべりっと剥がしてインクを含ませたら結局これが一番安上がりで丈夫できれいに絵の具がつくのでした。いやぁ…初めての経験はほんと楽しいです。。

 というわけでとにかくひたすらポンポン作業。これがまた
果てしなさ過ぎる…。
切るのだけじゃなくて塗るのも果てしなかったのか…多分面積が大きすぎたんです単純に。
印刷した仕上がりの色を見ながら、とにかくひたすらポンポン。
単色をただ塗り終えるのだけで結局5時間ほどかかりました。

 それから「特色」に入ります。
看板のネオンサインの色部分に特定の色を入れていきます。
赤、黄色、緑、青…
それが乾いたら、その上から白抜き文字もステンシル。(サロンパス、Hisamitsu、H&Mの看板がそうです)

そして、カバーしていたステンシルの紙をべりべりっとキャンバスから剥がしていきます。
おお…!出て来た!
できてるじゃない!!

これを見たら、ちょっと元気が出ました。。
今までやったことのない感触。仕上がりの面白い質感があります。
やっぱり、やってよかったなぁ…。引き続き終わりまで頑張ります。

インクが乾いて、べりべりっとキャンバスから剥がし終わった後の紙たち。

それから上の夜の空の色を普通にハケで塗り、ムラのできたところをスポンジでポンポンして微妙なムラ感に仕上げた後、
まだ足りないパーツがあったので(下部の群衆の部分)、追加でナイフで切り抜いていきます。
今回はリーマン、女性、パンクな男性の三種類を、大サイズ(手前用)と中サイズ(奥用)の二種類切り抜き、それこそハンコみたいにしてステンシルして作りました。

そしてまたひたすらポンポン。。。

で、とりあえず第一段階のステンシルが全部終わった状態がこちら。

あと少し!です。

 ここから、人物やハチ公やビルの広告などに、薄めたアクリル絵の具を微妙に調整してハケでざざっと塗っていきます。
 そしてその作業でクッキリじゃなくなった主線を、もう一度最初に使ったステンシルを持ってきてポンポンして、くっきりした濃紺のラインに仕上げて……

完成!!
やったーーーーーなんとか期日までにちゃんと仕上がったーーーー←そこ?
でも、今までにやったことのない質感に仕上がって、自分としてはとても満足しました。
久々に大きいサイズにトライしたのも。。

お疲れさま…紙くずたち…。
完成後の片付けがほんとに大変でした。
 半日かかって、散乱した切りくずを集めて捨て、パレットや筆を洗い、床にはみ出してしまった塗料を拭き取り、この作業のせいでかけられなかった掃除機を家中にかけて、やっとスッキリ…!


さて、カードはこんな風に仕上がっていました。
シルクスクリーンで、スタジオの子が全員分をいっぺんに大きな紙で出力して印刷してくれています。
「いい仕上がりじゃん!」と言われて、とても嬉しい。。



さて、それではこれが一体、どんな風に機能するのでしょうか?

翌日からのブラチスラバでの(それほど大規模ではありませんが)ブックフェスティバルにこの"L'Atelier Automatique"が参加していたので、去年クラスメイトでもあったniniと一緒にブックフェス視察と共に確認してきました!(彼女はイラストレーションやグラフィックをやってます!)
彼女が「TOKIO」をオーダーしてくれたので、写真を撮らせていただきました。


「機械」の全容はこんな感じです。
"L'Atelier Automatique”は、簡単に言うと「人力イラストレーションプリクラ」です。
背景に書いた都市に旅行して記念写真を撮ってくる、という感じのテーマでして
私の場合なら、ブラチスラバに居ながらにしてトーキョーでイラストレーション写真が撮れる…というような感じです。
クラスメイトたちが作ったものはいろいろで、宇宙、森、学校の教室、牧場、プラハ城、遊園地のメリーゴーランド、等等…。KISSと記念写真を撮れるというのもありました。ほんとにみんな面白いし、すごいのを作ります。

というわけで話を元に戻します。
まず、機械の端っこに設置されているオーダー表に希望するものをパンチして、スリットにその表とお金を入れます。
1カード1ユーロでした。




自分の番が来たら、その背景がセットされて、その前に座ります。
この鉄の壁の向こうに生徒がいて、似顔絵を描きます。。
10分かからないぐらい。5分ちょいぐらいかな?


描かれてるnini。

後ろで見てる人の首の角度がおもしろい…なんでそうなった。w

なんて言ってたら、完成して出てきましたー!
‥おつりも同じスリットから出てきましたー!


私が用意した顔の部分が大きすぎたので、顔と髪型と一緒にインナーも書いてくれてました(´▽`)
ええ感じ!

できたねーーー♪
オーダーしてくれてありがとうnini!

この"L'Atelier Automatique"は、学校で年に二回行われる展示でもスタジオに設置されてていつでも体験できますし、たまにブックフェスなどにも出張しているようです。
次に見れるのは6/11〜18の大学での展示になります。
興味のある方は是非!
背景は20種類ぐらい用意されていて、好きなのを選べます。
ほんと面白い企画だと思います。

そんなわけで長かったですが制作過程&結果。でした!

Scones / スコーン。

These days I make scones for my breakfast and tea time.
It's really the first time for me, but it's really easy and good taste!
When I make some foods in house and eat, I feel more ease and power rather than buying.

制作で忙しいぶん、お菓子を作り置きできると癒されます。。
市販のものはどうも食べてて疲れたり飽きたりしてくるけど、自家製ってほっとしますよね。
最初はこんな、焼過ぎた消し炭みたいなスコーン。。
(おいしかったけど…)

だんだん上手になってきて。。

今日はプレーンを作りました♪
ハチミツつけて食べたらおいしかった!

料理はクリエイティビティーの基本だと、この年になると日々実感します。
創作意欲、自由なエネルギーやちょっとした加減、調整、工夫。
そしてそれを食べることで自分の何よりのエネルギーになるし
今食べたいものを、これだ!ってものを作れると、すごい満足感があって、なんだか不思議なくらい満たされてまた頑張れたりします。


先週末は、新たな夢…というか、今となってみれば「そうだよなぁ」ていう感じの自分の夢が具体的に見えて来た週末でした。ブラチスラバのブックフェスティバルを訪れて、いろんな出会いとか友達との会話から、そういうことがふっと出てきました。
実現したい。

さて、また新たな制作に集中していきます。。
が、どうやらまだ切り替え期間中のようで…。
ふーむ。。

つぶやきtwigg

twiggを違う形で続けてみようかなんて試み。
ちなみに「twig」は小枝とかって意味で、ビョークのEarth Intrudersの歌詞にtwigs&branchesというのがちょっと出て来て、なんとなくその音が軽くて気に入ったのでg一つ増やしてtwiggと名付けていたのであります。赤コア豆知識(謎


最近はめっきり夏!なプラハでして
先週12℃ぐらいだったのに今週は27℃とかです。完全に夏。
ちなみにこちらでは冷房というものがほぼ存在してないので、レストランとか入っても普通に暑いです(´▽`)
で、ビールがすすむというわけ。(´▽`)
昨日はこちらに来ている日本人のクラスメイト、くまちゃんと一緒にビール飲みました。おいしかったー!

制作が追い込み期でいろいろとウハーなんですが、去年と違い、パニックにならずに進めることができてると思います。去年は完全にパニック!今年はなんか、締切についてどういうスタンスでどういう進行なのかとかが大体掴めてきてるので、それと自分の生活ペースやスケジュールと突き合わせてなんとかなるというか、してるというか、なってるのか?まぁなるようになるさ。みたいな感じ。



一昨日、昨日と、連続で空に十字が描かれてるのを見て仰天して写真を撮ってみました。
前日はきれいな十字が一つ、
翌朝は手前と奥に一つずつクロスがあります。
何だろうこれ。。
きっと、見守ってもらってるんだ。と感じました。

これは日本の友達が送ってくれたマグカバー。かわいい。
おいしくお茶が入れられます、ありがとう…!
下にあるのは今書いている絵本のテキスト原稿。
読みやすい崩し方はないかとあれこれ書き方を試している最中です。