文字の旅─ロンドン&ダブリン / Summer vacation, watching "letters" in London & Dublin

タイポグラフィーのことを知らないという欠点は、デザインを勉強していないのに本を作りたいという私のかなり最大の弱点だということには留学に来て本格的に気づいたものの、どうも未だによく分からないという状態が続いていましたが、「タイポをデザイン的に理解するのじゃなくて、書きたいんだ!」と気づいてカリグラフィーを独学でやり始めたら、逆にその方がタイポグラフィのことも感覚的に理解することが出来始めました。そして、文字が使われた歴史をこのヨーロッパで知るということが結局タイポの理解にもなっていることにも気づいたところで、いいタイミングでロンドンを訪れることができました。最大のチャンス!歩き回れる限り、あれこれ見て回りました。

Recently I noticed about the importance of calligraphy for me, so this summer I visited London & Dublin and saw manuscripts, city typographies and calligraphies.
Below are photos in London or other cities (at the airport, in "tube", in the town,  British Library, musiums including my adoration William Blake, churches, hotels, helitages, book stores,) and Dublin Trinity Collage. The last one is barber's sign in Prague ( I thought that of course London is very nice I love it, but Prague has also so many goodies!!)


空港でさっそく何かのブックフェスティバルのトートバッグを見つけたのでメモ。

空が格別きれいでした(タイポ関係なし)。

とりあえず地下鉄(チューブですね!おおこれがあのチューブか!とミーハー全開)に乗って広告を見たとき、この写真では全く伝わらんのですが、タイポグラフィーがしっかりしてる国だな、という印象を受けました。何ていうか、今まで行ったどの国とも違う、確固たる芯がある、という感じがしました。品があって美しい。きりっとしてる。
地下鉄の広告を見てそんな感想を抱いたのは生まれて初めてでした。
……といってもこの写真では全く伝わらないわけですが……(面目ない)。

あーなんてきれいなのでしょう。
これが町の番地表示だなんて。

おお、これが噂のロンドンフォント!きれいだなー!
と町の表示サインだけで感動したり。
(どこへ行くにもこのサインや、町の中心部は更に必ず地図表示がそこかしこに立ってて、かなりロンドンは観光しやすかった!)

おおーこれがあのガーディアンかー!おおー!
と「初めて訪れるイギリス」になんかいちいち感激。
来てみて思ったのは、イギリスに私はずっと来たかったんだなぁ、という「感覚」でした。
高校の時の英語の授業とかでもよくイギリスの新聞記事の読解などをやってたので、知らない間に憧れていたようです。不思議ですね。
来れて本当によかったです。

美術館にて。油絵に書き込まれてる文字すらカリグラフィー。

テートブリテンでは、私の愛するウィリアム・ブレイクの原画が!
泣くかと思った。感激した。10年前から敬愛しているのです。
母を待たせて、あの小さな部屋で一時間ぐらいいたと思う(笑)
あぁ、感激でした…

素敵です…。
…そもそもここで写真撮っていいのかよく分からず、びびりながら撮りました。
多分大丈夫なはずだけど…。

これはEric Gillの作品ですね。
タイポ的にもカッコいいです…。美しい。

上記のエリック・ギルのと、これもウェストミンスター大聖堂のものです。
ウェストミンスター寺院の方は今回行かなかったのですが、大聖堂は最高でした。
絶対にまた行きたい場所の一つです。


コッツウォルズ地方のあるホテルに泊まった時のキーとホテルカード。
やっぱなんか、コッツウォルズの方へ来ると、魔法が使えそうなフォントになりますね。
そんな感じしません?

これはどこのだろ(´▽`)
カッコよかったので撮っておいた。


この二つは、グラストンベリーの寺院跡で撮りましたね。
美しいカリグラフィーです。
寺院はなかなかの遺跡っぷりで良かったです。




字って、カリグラフィーって、タイポって
ほんとに彫ってあるんだなー、と
勉強してなかった時には全く考えもしなかったことに気づいたにわかとしての写真たちです。
刻印してる文字と、紙にサラサラと書く文字が違うのは当たり前ですよね。
カリグラフィーを本気でやりたくなってから気づいた、当たり前のことなのですが、
実際に見るとなんか感激します。
当たり前ですがプラハに帰ってきてもこういうのはたくさんあります…。ふh

これは、合字(リガチャー)が使われてるのを見て、ほんとに使うんだー!と思って撮ったという、これまた初心者丸出しの感激写真(´▽`)
いちいち「カッコいいー!」といって撮ってました。


そしてロンドンの色々な本屋にて、世界的に有名なチェコ人絵本作家のシャシェックの本が、本当に当たり前にロンドンを紹介する最高の絵本の一つとして並んでいるのを見て、なんだかまた感激してしまいました。

切り絵のギフトカードが、すごい。
この国はギフトカード文化なんですね、カードだけを売ってるお店もあるし、美術館でもギフトカード10枚セット(カードと封筒10組ずつ)なんてのが素敵なのが沢山あって、本当は買いたかったのですが…。
た……高くて……。
ポンドが高くて……涙
「ちょっと素敵だな」ぐらいではお金が出せず。。結局買わずじまいでした。


大英博物館の木版と刷り上がり図。


交通サインという名の道路上のフォント。(なんか好きだった)

ウィリアム・ブレイクの装飾本の全てが載ったとんでもない最高の本。美術館で確認してたのですが、値段がかなりなので一度心が折れていたものの、なんと偶然訪れた古本屋で最後の一冊で買えました…!古本屋の人たちがまた紳士で、あぁイギリス最高。。と思いました。。男性が紳士なのは、本当すてきだと思います。さすがレディース&ジェントルメンの国だと思いました。
本は、神さまがくれた。。と思って、絶対2〜3kgはあるこの本を大事に大事に持ち帰りました。。神すぎる…。
カリグラフィーの本も、最高のが買えました。これまた物凄い分厚さだったので、二冊で5kgは下らないはず。しかし、宝なので普通に持ち帰りました。
この二つは絶対にロンドンで欲しかった本だったので、目的が達せてよかった。。
帰宅後、少しずつ読み進めています。
英語だからほんと助かる…!

行きたかった画材屋さん(カリグラフィー用品も充実)でも、少し買い物してきました。
はぁ〜…幸せ…(*´д`*)

このフォントも好きだな〜

クソまずいんですけどオシャレだと思って。笑

きれいだなぁ。



はい、そしてアイルランドのダブリンに入った瞬間にこのフォントです。
もはやギリシャ語っぽくない…?
この国って面白いですよね。ダブリンは会話はほぼ英語ですが、第一共通語はゲール語ですものね。
こういう、何かに収まらないもののある国がやっぱり好きです。


そして、トリニティカレッジで「ケルズの書」を見ることができまして、その書は写真禁止だったのですがもはや大興奮。ほんとに来てよかったです。とんでもない旅行日程の上にこの日ホテルにチェックインして戻ってくるのが不可能なため、全荷物を引きずりながらだったけど、本当に行ってよかったです…。…おかん、無茶させてすまん。

で、その上の階にある、トリニティカレッジ図書館が。すごかったんです。
荷物が重すぎたのですが出口に出るには上の図書館から出ろと表示があり、困って近くにいた警備のおじさんに「上にしか出口ないの?出たいんだけど」と聞いたら「上には行ったのか?」と念を押すので、行ってないと答えたら「見る価値は充分にある。障碍者用のリフトを使わせてあげるから、是非行きなさい」って、エレベーターを特別に使わせてくださったんです。。感激した…。母曰く、上にエレベーターで上がったら近くにいた老人に「あんたたち、エレベータ使ったの」みたいな目ですげえ睨まれてたそうですが、既に図書館の凄さに目を奪われていた私には全く視界に入っていなかったという。

だって、すごいんです!見てください!


いやぁもう素敵すぎますね。。
しびれました…。
おじさん、本当にありがとう…!宝を見逃すところでした。

そこで、企画展にてまた大量の写本や手書き本が展示してあったので、撮りました!!
あぁ、本当に手仕事ってすばらしい…。








なんて音楽的なのでしょう…!
これらを見てすっかり夢中になりました。
そして、
卒業制作、これでいこう。
と、なんか腹が決まりましたのです。
我ながらけっこう大変なことを決めてしまったのですが…。
やりたかったことだ、と確信したのです。
ネオ写本ですね。
やりたいと思っています。


そして、プラハに帰ってきました。
チェコ料理を食べてチェコビールを飲むと、なんか体がホッとして、体がぐんぐんチェコのものを吸収していくのが分かりました。
イギリス&アイルランドでもおいしいものは食べれましたが(聞いていたほど不味いとは思わなかったです…高いだけで…。)、やっぱりなんかチェコはほっとする。し、安い…。(´▽`)

そして帰り道に見かけた近所の髪切り屋の看板がかわいかった。


あらやだ、かわいい…。
チェコもやるな…と不遜なことを思いながら
旅は幕を閉じたのでした。