新年にあたり。

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。


新年を迎えて、今までの私と今年の私の決定的な違いが一つあります。
それは、自分が絵の力を使って「何をしていきたいのか」が、まだ多岐に渡って絞れてはいませんが(今から絞る必要はないと思うのですが)、過去35年間の中では比べ物にならないほどはっきりとしている、ということです。

絵を描くだけなら、誰でも出来る。これは正直そう思います。そこそこセンスのある一般人なんかたくさんいます。「描けない」という人は、コツを知らないのとトレーニングをしてないだけです。本当に誰でも書けるのが「絵」なのです。たとえそれに意味があろうとなかろうと、人が書くものを握り、何か文字ではないものを描いたのなら、それは既に「絵」です。

では、絵を描いてる私は一体、その「道具」を使って何がしたいのか。
これは絶対に重要な問題でした。

ファインアートの世界に、私の居場所はありませんでした。
この世界の界隈の方たちはとても良くしてくださいましたが、本当に会話や価値観が噛み合ったことは一度もなかったということを告白します。
絵を描くことしか出来なかった私は、この場所にいても時間の無駄だと判断しました。それが2011年に活動フィールドを見直したきっかけです。
そして、どうすればいいかは分からなかった。文字通り真っ暗闇の状態だったと思います。

それを自力で見つけることを手放し、「本を作りたい」というだけの気持ちで探した新しい行き場所が、過去在籍したはずの「イラストレーション」という分野。
しかしチェコやスロバキアのシュールな感性と実力の地で存在するそれは、日本とは全く違う性質と専門性と芸術性を持ったものでした。
ここに来てとてもしんどかったですが、本当の意味では私はここに来て初めて「呼吸」したのだと思います。
大きく息を吸って、吐いて。
あぁ、ここだと。
はじめて、息をしたのだと思います。

やっと始まった私の人生。私の居場所。
まだ、この「イラストレーション」という道具を使いこなせておらず、四苦八苦しつつの毎日ですが、この道が間違っていないことを深い場所ではとっくに確信しています。あとは頑張るのみ、なのです。

この場所に来て、信じられないほどのことがたくさん起こり、多くの方にサポートしていただき、世界がぐんと広がり、逆に日本でも今までなら出会えなかった方たちと出会うことができたりしています。以前までの私でいなくて本当によかったです。そしてもちろん、チェコで出会ったたくさんの人達とも…。外に出なければ一生出会うはずのなかったたくさんの、全く違う国や地域から来た友人たちと普通に会話しているたび、なんだか不思議な気持ちにさせられます。でも、この「普通に」会話してる、という感覚はほんものなのです。本当に自然なのです。。私は案外、こういう場所で生きるのに向いていたのでしょう。いや、案外でもないでしょうか。。
全てに感謝あるのみです。

今は自分が何をしたいのか、何を目指したいのか分からない若い人、たくさんいると思います。
諦めないでください。ただ生きて続けるしかできないとしても、それが必ず意味を持ってくる。続けられないならそこで終わりです。苦しくても続けることができれば、乗り越えた辛い場数の分、絶対にあとで、苦しんでいない人が絶対に手にすることのできない自分の答えを見いだします。その時、あなたはとても納得し、過去耐え抜いた自分に感謝するはずです。今の私はそうです!自分なりにできることをやっていくしかありませんが、それをするのと辞めてしまうのとでは雲泥の差です。
みんな苦しい。だからこそ諦めず、かつ自分がそれをやりたいっていう頑固な部分に関しては諦めて(笑)こつこつ続けていってください。
チャンスは必ず来る。その時に全力で取りに行くためにも。。!

そんなわけで、「絵」を使って何がしたいのか。に対する私の答えはこうです。
「『絵』を使ってものを作る。」
そういうことです。はい。


冬のプラハ。
年末一時帰国して戻ってきたら、雪でびっくりしました。きれい。
ここ最近は0℃前後、雨と雪まじりの降雨を繰り返しており、積もったと思ったら消えたりと魔法のように景色が変わっていっています。

早いもので、今年は年女になります。。
未だに戸惑いながらなのですが、そうも言ってられないので、とにかく尽力します…。うぁ…頑張ります。

ゆきこ