カリグラフィー練習中 / Practicing calligraphy

This summer, I realized that I've been yearning for writing letters by hands.
Anyway I started practicing some styles, and now I'm learning calligraphy with one teacher in Prague, because my yearning leads me to one new idea for my theme (maybe through my life) - "Pictures and letters should be expressed completely at the same time".
I need to reach to that level!
now I'm just practicing uncial, very basic but really beautiful. i love it. It would be very important start and basis on my expression.

カリグラフィー。
「文字を書く」ってなんて楽しいんだろう!とハマったのは、5月末にブラチスラバの小さなブックフェスティバルで行われていたカリグラフィーワークショップに、なにげなく参加してからでした。
今見れば本当にへたくその限りですが、割り箸をカッターで削った平たい木の棒にインクを浸して、まるっこい文字の書き方を書き順を習って画用紙に書いていくだけのことが、私には救世主に見えました。このざっくりとした遊びのようなたったの一時間半に、何かいろんなもののカギを見つけたような実感がありました。
なんだ、私はタイポがどうとかじゃなくて、書きたかったんだ!書けば分かるんだ!と、目がキラキラしてたと思います。幼児たちに混ざって文字を書きながら(笑)。
楽しくて、楽しくて、忘れられませんでした。
まもなくして夏休みに入るため、チェコでカリグラフィーを習いたかったのですがそうもいかず、夏は夏で予定も詰まっていたので、とりあえずペン先だけ二つほど買い、更に日本に帰国した時にカリグラフィーの本を探して買い、合間の時間でちょこちょこ練習することに。夏が終わるのをとても待てなかったのです。

この本、美しくてフルカラーで、文字の歴史や由来の話から装飾のテクニックに至るまで、薄いのに内容盛りだくさんで素晴らしかったです。。今もバイブル。とにかくこれを見ながら練習してました。

なんか、とりあえず形にはなるんだよなぁ。
などと思いながら、時間を見つけては手持ちのノートにひたすら書いて。

チェコに戻り、イギリスでカリグラフィーの大きな本を買ってから、それを見ながら気になる字体をひたすらこうして地味〜に、ガイド線を引いて、文字の比率を見ながらひたすらストローク練習してみたり。
その本に乗ってる字体をとりあえず全部練習しようかと思ったのですが、さすがにムリだった。

とにかく地味。


そうするうち、なんとか先生が見つかりまして、相談したところ、とりあえずこの二ヶ月は基礎をみっちりやるといいのではないか、その後に相当自由に描けるようになるはずだ、と先生に助言をもらい、じゃあこの二ヶ月みっちりいこう!ということで、
つい先週の金曜日、初回のレッスンがありました。
私もカリグラフィー最初から大好きだった、アンシャル体という、ベースオブベーシックでありつつけっこう個性的な字体です。3世紀頃に聖書の写本に使われた字体で、大文字小文字の区別がないところがミステリアスで好きです。

初回からこんだけ書けてるっていうのがなんかさすがに。
夏の間に地味に練習してた成果が微妙に出てるようです。。

アンシャルだけでもかなりスタイル違う字体あるんですよね、手持ちの二冊に載ってるものはこれともまた少しずつかたちが違いました。
でもまずは一つの基礎をしっかり身につけて、応用はその後やればいいです。
今は焦らず、全部のアルファベットを。

例えば、CとかEのカーブ。とても難しいです。
なので、その半月型だけを延々練習していきます。
すると、

一番上はへたくそ極まりないカーブを描いておりますが
だんだんそこそこ見れる形になってきて
最後の紙では一応まぁ。成立してるか。みたいな。(全然まだなんですが)
こんな具合に練習していきます。

で練習だけだと飽きるので
気まぐれに「写経」してみたりします。
これは何か、目にとまった気に入った文章を書いてみました。まぁそこそこ形になりつつあります。
左下のメモみたいな紙は、ペン先で「Height」を測り、それに合わせて平行線を引いておいて、その幅を紙に写し取ってガイドラインを引くのです。

…が面倒くさがりの私は、なんと練習の時に平行線とペンアングルの角度を引いた紙をパソコンに取り込み、練習用紙を作ってしまいました…。
書きたくなったらガンガン印刷してどんどん書いてしまいます。
いいのかな。いや…いいの…かな…?( ;谷)
こらえ性のなさがまずい気もします…。どうしよう…駄目かな…今度先生に聞いてみよう…(ドキドキ

毎日練習してたら、さすがに机ですら下を向きすぎてちょっと頭痛くなってきたので、遂に台を机の上にこしらえました。うん…最初からこうすればよかった。姿勢って大事ですね。手も動かしやすいし。。うん…基本は大事です、本当…。
教室に行き始めたことで、本ではどうしても分からない、けど大切なちょっとした、インク量の調節の仕方とかマスキングでレゼボアを作る方法とか、その、ちょっとしたことっていうのが大切なんですよね…!そういうことがパパッと目の前で行われる。それだけですら、物凄く有り難かったです。「出来る限りゆっくりペンを動かしなさい、急いでは駄目よ」と口をすっぱくして諭してくれる存在なども、本当に有り難いものです。一人では、そういうことを言ってくれる人はいません。言われたその理由が分からなくても、その言葉に従って進めてみると、必ず理由が分かります。大学の教授にしてもそうです。同じことを常に感じます。「先生」とは、有り難いものだとつくづく思います。

そしてこういう教育は、私は外国に来なければ絶対受けられませんでした。
日本の美大って。。何だったんだろう。。って、正直非常に思います。これは来た時からことあるごとに強く実感した部分です。
若い人、若くない人も、興味があるなら絶対一度は外国で学んでみた方がいいです。
とんでもなく自分というものを広げてくれます。


それにしても、カリグラフィーは楽しい。
一番楽しいのは、「言葉の力を視覚化できるところ」です。
私は昔から、自分の中にある「言葉の力」を自覚していましたが、それを形にする術を持っていませんでした。いつもそのことにフラストレーションがありました。
手書きでバレエガールの本を描いたとき、とても楽しかったですが、ややすると自分が一種類の筆記体しか知らないことに不足を感じ始めました。
そして結局カリグラフィーを徹底的にやるしかない、というところにたどり着いたのは、自明の理であり、逆にいえば、私が今この力をつければこれは一生モノであり、私という表現者に最も必要だった最後の強力な武器を手に入れることになるだろう、という確信があったからです。
やがて絵と文字が一体になって手から出てくるだろう、それまで辛抱して練習した方がいい、と先生が私に言いました。私もそう思いましたし、彼女の言葉を信じます。
今は、すぐに乗り出したくなる気持ちを抑えながら、その気持ちを全部こめて、練習をしています。
ただただ、楽しい。そういう気持ちでもあります。
こうした機会を迎えることができた、全ての方々に感謝しきりです。

わりと朝弱くて調子が上がらないまま昼になる、ということが多いので、音楽をかけて調子を上げるのを忘れないようにしようと思って台所に書いて張ってみました。
案外効果あります…(笑)


文字が紙の上で音楽になるところも、「写本」のいいところだと思います。
文字が、絵と一体になって、紙の上に流れ出す日のために、
今は。ひたすら。
練習です。